出羽三山へ2 注連寺と大日坊 [霊地巡礼/神社仏閣]
【注連寺】新義真言宗湯殿山派大本山
所在地:山形県鶴岡市大綱中台92-1
御本尊:大日如来
2008年5月訪問
注連寺は、弘法大師空海の開山と伝わる真言宗系のお寺です。この地方(庄内地方)は即身仏が多いことで知られ、こちらのお寺には「鉄門海上人」の即身仏が安置されています。また、作家の森敦ゆかりのお寺でもあり、境内には資料館「森敦文庫」があります。
拝観料を納めて中に入ると、ガイドの方がお寺についての説明をしてくれます。思っていたより時間がかかりましたが、興味深い話がたくさん聞けました。特に、即身仏についての話は印象的で、初めて見る実物をしげしげと眺めながら聞き入ってしまいました。即身成仏される心境とは、いったいどのようなものなのだろうと考えてみたものの分かるはずもなく、ただただ凄いと思うばかりでした。
面白かったのは天井画です。曼荼羅を連想するものから古今の人物を描いたカラフルでユニークなものまで、様々な絵が天井を飾っています。特に、古い造りとカラフルで現代的な絵の組み合わせが見事にマッチングしていて、とても気に入りました。これを容認できる注連寺も、何だかとても気に入ってしまいました。
他にも、色々と所以のある絵がたくさんあって、天井画を見るだけでも楽しいです。
湯殿山はその昔、女人禁制だったため女性は注連寺から遥拝したそうです。この日は晴れていたので、お寺から綺麗な月山が見えました。
ふと、女性のガイドの方に「昔は神仏習合だったんですよね」と聞いてみたら「注連寺は今でも神仏習合です」と答えが返ってきました。漠然と、明治政府の神仏分離政策で、この土地の民俗的なものや宗教体系がだいぶ失われたのではないかと考えていたのですが、どうやら脈々と受け継がれているようで何だか安心しました。
境内には「七五三掛桜」(しめかけざくら)もあります。遅咲きで、5月上旬に咲くそうです。ぼくらが訪れた時は、散りかけで満開ではありませんでしたが、咲き始めは白っぽく満開時は赤みがかる珍しい桜だそうです。ちなみに「七五三掛」はここの地名だと聞きました。注連寺の「注連」も「しめ」と読ませるから、意味は同じなのかもしれませんね。
【大日坊】真言宗豊山派
所在地:山形県鶴岡市大網11
御本尊:湯殿山権現
2008年5月訪問
次に、注連寺からさほど離れていない大日坊へ寄ることにしました。こちらのお寺には、「真如海上人」の即身仏が安置されています。また、国指定重要文化財の「金銅仏釈迦如来立像」があるようですが、ぼくらが訪れた時はどこかへ行かれていたらしく見ることが出来ませんでした。近々、国宝になるとのことです。
中へ入るとまず、即身仏についての説明がありました。話は面白かったのですが、最後にお札やお守りのセールスがあって、個人的にはちょっと余計かなと。ただ、檀家制度のないお寺とのことなので、運営維持のためには致し方ないのかもしれません。
即身仏についての説明が終わると、仏像がずらりと並んだ廊下を通って本堂へ移動しました。ここでも説明があり、楽しい話を交えながら興味深い話が聞けました。明治政府の神仏分離令に従わなかった為、お寺が焼かれたこと。湯殿山神社の敷地は本来、大日坊の敷地なので返して欲しいと思っていること。出羽三山とは「月山」「葉山」「鳥海山」のことで、湯殿山という山は本当は無いこと。重文の仏像が国宝に昇格すること。等々、ここに来なければ分からなかったことが聞けてとても面白かったです。
しかしながら、話が長くて話の後半は聴き疲れしてしまいました。湯殿山神社のことをはじめ、他のお寺のことなども遠回しに批判しているように聞こえてきて「?」と思ったのも事実です。といっても、笑いありの話なので嫌な感じはあまりないのですが。きっと、伝えたいことがたくさんあるのでしょうね。とりあえず、お坊さんの説教は長いのもだ、ということで。
大きな地図で見る追記
この日記は2008年5月に訪問した時のもので、過去に遡って記しています。
2008/8/31公開
所在地:山形県鶴岡市大綱中台92-1
御本尊:大日如来
2008年5月訪問
注連寺は、弘法大師空海の開山と伝わる真言宗系のお寺です。この地方(庄内地方)は即身仏が多いことで知られ、こちらのお寺には「鉄門海上人」の即身仏が安置されています。また、作家の森敦ゆかりのお寺でもあり、境内には資料館「森敦文庫」があります。
拝観料を納めて中に入ると、ガイドの方がお寺についての説明をしてくれます。思っていたより時間がかかりましたが、興味深い話がたくさん聞けました。特に、即身仏についての話は印象的で、初めて見る実物をしげしげと眺めながら聞き入ってしまいました。即身成仏される心境とは、いったいどのようなものなのだろうと考えてみたものの分かるはずもなく、ただただ凄いと思うばかりでした。
面白かったのは天井画です。曼荼羅を連想するものから古今の人物を描いたカラフルでユニークなものまで、様々な絵が天井を飾っています。特に、古い造りとカラフルで現代的な絵の組み合わせが見事にマッチングしていて、とても気に入りました。これを容認できる注連寺も、何だかとても気に入ってしまいました。
他にも、色々と所以のある絵がたくさんあって、天井画を見るだけでも楽しいです。
湯殿山はその昔、女人禁制だったため女性は注連寺から遥拝したそうです。この日は晴れていたので、お寺から綺麗な月山が見えました。
ふと、女性のガイドの方に「昔は神仏習合だったんですよね」と聞いてみたら「注連寺は今でも神仏習合です」と答えが返ってきました。漠然と、明治政府の神仏分離政策で、この土地の民俗的なものや宗教体系がだいぶ失われたのではないかと考えていたのですが、どうやら脈々と受け継がれているようで何だか安心しました。
境内には「七五三掛桜」(しめかけざくら)もあります。遅咲きで、5月上旬に咲くそうです。ぼくらが訪れた時は、散りかけで満開ではありませんでしたが、咲き始めは白っぽく満開時は赤みがかる珍しい桜だそうです。ちなみに「七五三掛」はここの地名だと聞きました。注連寺の「注連」も「しめ」と読ませるから、意味は同じなのかもしれませんね。
【大日坊】真言宗豊山派
所在地:山形県鶴岡市大網11
御本尊:湯殿山権現
2008年5月訪問
次に、注連寺からさほど離れていない大日坊へ寄ることにしました。こちらのお寺には、「真如海上人」の即身仏が安置されています。また、国指定重要文化財の「金銅仏釈迦如来立像」があるようですが、ぼくらが訪れた時はどこかへ行かれていたらしく見ることが出来ませんでした。近々、国宝になるとのことです。
中へ入るとまず、即身仏についての説明がありました。話は面白かったのですが、最後にお札やお守りのセールスがあって、個人的にはちょっと余計かなと。ただ、檀家制度のないお寺とのことなので、運営維持のためには致し方ないのかもしれません。
即身仏についての説明が終わると、仏像がずらりと並んだ廊下を通って本堂へ移動しました。ここでも説明があり、楽しい話を交えながら興味深い話が聞けました。明治政府の神仏分離令に従わなかった為、お寺が焼かれたこと。湯殿山神社の敷地は本来、大日坊の敷地なので返して欲しいと思っていること。出羽三山とは「月山」「葉山」「鳥海山」のことで、湯殿山という山は本当は無いこと。重文の仏像が国宝に昇格すること。等々、ここに来なければ分からなかったことが聞けてとても面白かったです。
しかしながら、話が長くて話の後半は聴き疲れしてしまいました。湯殿山神社のことをはじめ、他のお寺のことなども遠回しに批判しているように聞こえてきて「?」と思ったのも事実です。といっても、笑いありの話なので嫌な感じはあまりないのですが。きっと、伝えたいことがたくさんあるのでしょうね。とりあえず、お坊さんの説教は長いのもだ、ということで。
大きな地図で見る追記
この日記は2008年5月に訪問した時のもので、過去に遡って記しています。
2008/8/31公開
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